ここでは、成年後見制度の利用を考える際、事前に知っておきたい成年後見の申立て手続きの流れについて解説します。手続きにはどのような書類が必要なのかも一緒に確認してみましょう。

1.成年後見制度の手続きの流れは?

①申立て

必要な書類を揃え、本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ提出し申立てを行います。申立てができる人は、本人、配偶者、4親等内の親族、成年後見人等、任意後見人、成年後見監督人等、市町村長及び検察官に限られます。従って、誰でも申立てができるわけではありません。

②審問、調査、鑑定

申立て後、裁判所の職員が申立人、後見人等候補者、本人等から事情を聞きます。本人の親族等に、申立ての概要や後見人等候補者についての意向を照会することもあります。また、必要に応じて、判断能力の程度を判定するための精神鑑定を行う場合もあります。

③審理、審判

家庭裁判所は、後見等の開始の審判をするとともに、最も適任と思われる方を成年後見人等として選任します。必ずしも、後見人等候補者が選ばれるとは限りません。

④法定後見開始

成年後見人等が審判書謄本を受け取ってから、2週間以内に不服申立てがなければ、審判が確定しその旨が登記されることとなり、法定後見が開始となります。

2.成年後見制度の申し立てに必要な書類とは?

標準的な必要書類の一覧です。
①申立書
②申立事情説明書
③親族関係図
④本人の財産目録及びその資料
⑤本人の収支報告書及びその資料
⑥後見人等候補者事情説明書
⑦親族の同意書
⑧本人及び後見人等候補者の戸籍謄本
⑨本人及び後見人等候補者の住民票
⑩本人の登記されていないことの証明書
⑪本人の診断書
⑫愛の手帳の写し

なお、手続きに要する費用は以下の通りです。
ⅰ申立て手数料(収入印紙)
・800円(同意権または代理権の付与の申立てを行う場合は、さらに各800円)
ⅱ登記手数料(収入印紙)
・2,600円
ⅲ送達・送付費用(郵便切手)
・3,200円(後見の場合)または4,100円(保佐・補助の場合)
ⅳ鑑定費用
・実費(5~10万円程度)。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は成年後見制度の手続きの流れについて解説しました。
成年後見制度の利用を考える際の参考にしていただけると幸いです。

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